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値白金、パラジウム、供給減

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白金、パラジウム、供給減へ 

(2013年2月)

貴金属の白金(プラチナ)パラジウム供給が減少する見通しだ。

要因は、

  • プラチナ生産の世界最大手アングロアメリカン社が、主産地である南アフリカ共和国で減産の方針。
  • パラジウムは、ロシアでの国家備蓄により供給余力が低下。

プラチナ、パラジウムの主力用途である自動車排ガス装置は
世界経済の復調による回復期待が出ており、先物市場での価格は上昇傾向だ。

アングロアメリカンのリストラ、減産

アングロアメリカン社のプラチナ子会社は、
2012年12月決算で63億ランド(約756億円)の営業赤字となった。

2012年中の労働ストライキにより人件費が上昇し、
2013年1月には、不採算鉱山の閉山などによりプラチナ生産を1割減産するリストラ策を発表した。

プラチナ(白金)は、
南アフリカだけで世界全体の新規供給の8割を占め、
そのうちの半分程度をアングロアメリカン1社で生産する。

また、プラチナ鉱山からはパラジウムも同時に生産されるため
アングロアメリカンのリストラ策は、プラチナ、パラジウムの減産に直結する。

2013年は、世界でプラチナが約8トン、パラジウムが約19トン供給不足になると見込まれている。

ロシアからのパラジウム供給減

パラジウムの供給不足が大きくなるのは
もう一つの主産地であるロシアからの供給が減るためだ。

パラジウムの集積地であるスイス・チューリッヒ市場に関する通関統計から
2012年のロシアからの輸入が7割近く減り、1990年以降最低水準となっている。

ロシアの国家備蓄が底をつき、供給余力が低下したものと考えられるのである。

プラチナ、パラジウム価格はどうなるか

国際指標であるニューヨーク先物市場では
プラチナが2月12日に1トロイオンス=1716ドルと昨年末から12%上昇し、
パラジウムは同771ドルと同10%の上昇となった。

日本の自動車メーカーは国債相場に連動して鉱山会社から両貴金属を購入しており
価格上昇は、当然原材料コスト上昇をもたらす。

ただし、プラチナもパラジウムも当面の需要を賄えるだけの流通在庫があるため
すぐに供給ひっ迫から価格の高騰を招くとは見られていない。

ただし、供給減が長引くようなら、価格上昇は長期化するかの性もある。

当面は、プラチナは1800ドル、パラジウムは850ドルを目指す展開となるというのが大方の予想だ。

(2013年2月14日)


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