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金の急落と今後(2013年4月17日)

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金の急落と今後 (2013年4月17日)

金の国際相場が急落している。

4月15~16日のニューヨーク市場の先物相場は2日間で13%も下落し、
1トロイオンス=1361ドルと、約2年前の水準まで落ち込んだ。

市場では、ヘッジファンドが売りをしかけたとか
あるヘッジファンドが1000億円以上の損失を出したとかのうわさが飛び交っているが
問題は、この金急落相場をもらたした経済的な背景は何かということだ。

普遍的な価値の象徴であるゴールド(金)に対する買いが、この数年続いてきたのは
世界の基軸通貨であるドルの信頼の低下が背景にあった。

つまり、サブプライム問題、リーマンショック、世界金融危機の中で
「FRBが量的緩和を行えば行うほど、金相場は上昇する」という流れである。

この流れが昨年(2012年)11月頃から変わり始めた。

ちょうどドル高・円安が始まった時期と重なっている。

そして4月に入っての大幅下落である。

背景には「米国の景気見通しの堅調化」と「黒田日銀の異次元金融緩和」がある。

はっきり言えば、日銀の緩和資金は、景気回復期待が出始めた米国に向かい、
米国債、米国不動産、米国株に流れ始めていて、
日本の緩和マネーが米国の株高・債券高・不動市況改善をもたらすという構図が
新たな流れとして生まれているのだ。

こうなればFRBは当面、これ以上の金融緩和はは不要になり
量的緩和の「出口戦略を本気で考え始めている」という市場の観測は強まる。

つまり、「金相場が上昇する状況」=「FRBの金融緩和継続」というここ数年続いた状況が
「転換した」「一時的に終わった」という見方が定着し、金売りが一気に起った、ということになる。

では、今後の見通しはどうか?

これだけ大きく下げたわけなので、今後は下落スピードは落ちるだろう。

ただし、日銀緩和マネーが米国に還流する状況は
これからさらに強まる可能性が高いため
金が上昇する余地もない。

少なくとも1年程度は、「一進一退の中でジリジリ下げて行く」
という展開となるのではないかと予想される。

(2013年4月17日)


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