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日経平均が大暴落、1143円安

(2013年5月23日)


《ポイント》

  • 5月23日の日経平均株価は1143円安という暴落となった。
  • 要因の第一は、前日の日銀総裁の「長期金利はコントロールできない」という発言にある。
    日銀に金利コントロール能力がないことが表明されたことで、今日の債券市場は急落。
    それを受け、円高、金利上昇が進み、株価暴落を招いた。
  • 要因の第2は、中国の景気減速を示す指標が発表されたこと。
  • さらに高頻度取引(HFT)を手掛けるヘッジファンドの売りが暴落を加速させた。

5月23日の東京株式市場は、日経平均株価の終値が前日比1143円28銭安という暴落に見舞われた。
(終値は1万4483円98銭)
(終値ベースでの下げ幅の大きさは
 東日本大震災後に福島第一原発事故の状況が危機的となった2011年3月15日を上回った。)

寄り付き後は315円高2007年12月以来の高値水準となったが、そこから下落し、
午後の取引開始とともに大幅下落に転じ、終盤に下げ幅は1000円を超える暴落となった。

主な要因は2つ。

① 債券市場での国債下落・・・長期金利が一時1%超に上昇

昨日(5月22日)の黒田日銀総裁の記者会見での発言が大きい。

長期金利上昇について問われた黒田総裁は、
市場が期待していた有効な金利上昇抑制策を示すことができず、
長期金利は「短期金利と違い、コントロールできない」と述べた。

債券相場が乱高下し、国債リスクがささやかれる中でのこの日銀総裁発言は
日銀にコントロール能力も意思も欠如しているとの認識をもたらした。

今日(5月23日)の債券先物市場は下落幅が「値幅制限である前日比1円」を超え
サーキットブレーカーが発動される事態となった。

これを受け、円は103円台から101円台まで上昇した。

円安と金利安を背景に上昇を続けてきた株価は、一転暴落に陥った。

② 中国の景気指標の悪化

今日(5月23日)発表された中国の5月の「製造業購買担当者景気指数」(速報値)が
前月の確報値に比べ0.8ポイントの大幅低下となった。

中国経済の下振れリスクが顕在化したことがアジア株安、日経平均株価暴落につながった。



また、高頻度取引(HFT)を手掛けるヘッジファンドなどの短期資金の売りも
下げをを加速させる大きな要因となった。

この暴落は、昨年11月から続いていた上昇相場の転機となる可能性が高い。

債券相場、円相場、中国経済など複数の要因が重なっているためだ。

今後の展開については十分注意する必要がある。

(2013年5月23日)


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