スペイン国債2012/3
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スペイン国債、利回り上昇 (2012年3月)
スペイン国債の利回りが上昇し、7カ月ぶりにイタリアを上回る状況となった。
ECB(欧州中央銀行)が、
昨年12月21日(50兆円)、今年3月1日に(57兆円)の莫大な資金供給を行ったことで
欧州債券危機は一時的に鎮静化の方向に動いているかにみえるが、
市場はギリシャに続く債務危機の懸念先としてスペインを警戒している。
悪化するスペインの財政と経済
スペインはEUとの間で合意していた財政赤字目標(対GDP比4.4%)の達成が困難となり
目標を5.8%に緩めている。
スペイン(2010年統計) | |
---|---|
人口 | 4602万人 |
首都 | マドリード |
名目GDP | 1兆4099億米ドル (世界12位) |
失業率 | 20.7% |
経済成長率 | -0.15% |
インフレ率 | 2.86% |
2011年のスペインの財政赤字は、対GDP比8.8%。
EUは、3月12日に、スペインに対して赤字の追加削減を求めることで合意したが
市場は、スペインの財政改善の実行力や、景気悪化への警戒感が強まっている。
2007年にスペインでは不動産バブルがはじけ、2008年以降、経済成長率も失業率も悪化している。
住宅価格の下落は、現在も進行中であり、
銀行の抱える不良債権の比率は1994年以来の水準に上昇している。
2011年末時点での失業率は22.9%と、ギリシャの失業率19.2%よりも高く、
特に25歳以下の若年層失業率は48.7%と、EU諸国で最悪の状態。
(スペイン経済の拡大に貢献してきた南米からの移民は逆流し、
昨年は10年ぶりに人口の流出超となった。)
欧州債務危機のの今後を占う上で
欧州圏内4位、世界12位の経済規模を持つスペインの動向を注視する必要がある。
(2012年3月14日)
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