生保・国債2012/3
金融危機 経済破綻 世界・日本 > ニュース > 国内ニュース > 生保の長期国債の買い鈍る
生保の長期国債の買い鈍る (2012年3月)
超長期債と中期債の利回りにバラツキ
国債の利回りにおいて、
超長期債と中期債の間に大きなかい離がみられるようになっている。
2月14日に日銀が発表した積極金融緩和策(国債買入れは10兆円の枠拡大)で
2年物、5年物国債などの中期債の利回りは低下しているが、
20年物、30年物などの超長期債についてはむしろ利回りが上昇している。
その要因となっているのが
これまで超長期債を買い支えてきた生命保険会社の需要の減退だ。
生保の長期債買い増し機運の減退
生命保険会社・損害保険会社は過去2年間
超長期債を毎月5000億円以上買い越してきた。
ところが今年1月の買越し額は1695億円と大幅に減少。
生命保険会社はこれまで、
ソルベンシーマージン(生保支払い能力)比率基準の厳格化(2012年3月期決算から施行)
にあわせ、低リスクと評価される国債を前倒しで買い進めてきた。
ただ、生保各社はこの準備を昨年末時点で一巡させ
今後さらに買い進める必要性はなくなった。
また、生保は一時払い終身保険の販売をおさえるようになっており
これも超長期債を買いいれる必要性の低下につながっている。
今のところは、銀行などが超長期債の買いに入っているため
金利が急上昇するという事態には至っていない。
しかし、リーマンショック以降続いていた「株⇒国債」という資金シフトは一服し、
逆に生保は「国債⇒外国証券」へ資金をシフトさせつつある。
国債をめぐる潮目は変わりつつある。
今後、長期債の金利上昇となって表れて行くのか
注視して行く必要がある。
(2012年3月13日)
関連ページ
・日銀頼みの国債発行 (2013/1/31)
★公的年金の資産減少と金融 (2012/4/3)
★国債の「金利ボーナス」消滅 (2012/3/16)
★IMF、邦銀の国債リスク試算 (2012/3/2)
★ECB、57兆円追加供給 (2012/3/1)
・スペイン国債、利回り上昇 (2012/3/8)
・ブラジル、0.75%金利下げ (2012/3/8)
★IMF、邦銀の国債リスク試算 (2012/3/2)
★日銀、インフレ目標掲げ金融緩和へ (2012/2/15)
・日本の国債発行残高