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金融news2012/2/27

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G20、IMF強化をめぐる4つどもえの駆け引き

G20(20カ国・地域 財務相・中央銀行総裁会議)は、
欧州危機の封じ込めと、世界金融危機への拡大防止防止のために
IMF(国際通貨基金)の資金枠を拡充する方向を打ち出し
具体策を4月に詰めることを確認し、2月25日に閉幕した。

IMFの資金基盤強化案

現在の融資可能額3900億ドル
新たな資金枠EUの拠出2700億ドル
日本、中国、新興国の拠出2300億ドル

ギリシャのデフォルト懸念、欧州銀行の不安定化、ポルトガル、スペインなどの国債下落、株価下落、ユーロ下落などの欧州危機の状況は、
昨年12月21日から始められたECBの50兆円に及ぶ資金供給により
「一息付く余裕ができた」(メキシコ中央銀行総裁)。

ただし、今後も資金供給、安全網拡充を強めなければ
いつ底割れが起るか分からない状況が変わったわけではない。

そこで、EFSF(欧州金融安定基金)の拡充を欧州自身努力で拡充することを前提に
IMFの基盤強化の方向性が打ち出されたわけだが、
欧州、日中韓、米加、新興諸国(南ア、ブラジル)が
それぞれの利害と思惑をもち、4つどもえの駆け引きが展開された。

欧州包囲網とリーダーの旗を降ろした米国

そもそもIMF基盤強化構想を打ち出したのが
国債下落が懸念されるフランス出身のラガルドIMF専務理事。

さらにドイツが、
欧州独自の安全網であるEFSFの拡充に難色を示したことがその背景にある。

IMFの現在の出資割合
米国17.4%
日本6.5%
中国6.4%
ドイツ5.6%
英国4.2%
フランス4.2%

会議の中で、各国が欧州包囲網を敷き
「まず欧州自身の自助努力」を求めたのは当然であった。

ドイツ財務省が「世界に対して責任を果たす」と約束し
IMF基盤強化の検討に入ったわけだが
誰がその負担をするのか、をめぐり
各国の姿勢の違い、思惑の交錯が表面化した。

IMF強化に最も積極的な日本
それに連携する姿勢を示した中国、韓国。

一方、
米国、カナダは、「拠出は不要」という態度を変えていない。

南ア、ブラジルなどの新興国は、供出はするが、IMFでの発言権の拡大を条件としている。

米国は世界のリーダーとしての力も姿勢も失った」という現状が
危機の時代の中でよりはっきりし始めたと同時に
G20は十分な機能を果たせないまま漂流し始めている。



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