金利とは
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金利について
お金が余っているところから、お金が足りないところへ、「お金を融通する」ことを「金融」といいますが
お金を借りる場合は、借りた分に一定の上乗せをしてお金を返す必要があります。
この「上乗せ分」を「金利」と呼びます。
つまり、「金利」とは、「お金の賃貸料」と考えるとわかりやすいでしょう。
「借りる金利」と「貸す金利」
金利には様々なものがありますが、
大きく分けると「借りる金利」と「貸す金利」の2つに分けることができます。
●借りる金利
お金を借りるときに支払う金利です。
身近なところでは「住宅ローン金利」や「カードローンの金利」などがあります。金利は「%」で表示されることが多いですが
例えば、金利3%の場合、元金に対して3%の賃貸料を支払うということを意味します。
(銀行から1000万円借り、1年間の賃貸料が30万円だとすると
30万円÷1000万円×100=金利3% ということになります。)
●貸す金利
お金を貸すときに受取る金利です。
身近なところでは「普通預金の金利」や「定期預金の金利」などがあります。例えば、定期預金の金利が1%(預入期間1年)の場合、100万円を定期預金すると
100万円×金利1%=1万円 の利息を1年後に受け取ることになります。
「貸出金利」と「預金金利」の差額が、銀行の儲け分
銀行は、お金を貸したい人と借りたい人を仲介する業務を行っています。(金融仲介機能)
余っているお金がある企業や個人が、銀行にお金を預金として預け、
銀行はその預金を、お金を借りたい企業や個人に貸し出すわけです。
このとき銀行は、資金調達コストである「預金金利」よりも高い金利で貸し出します。
つまり、「預金金利<貸出金利」ということであり、この差額が「銀行の儲け」になります。(利ザヤ)
期間が長いほど、金利は高くなる
金利は、期間の長さで変わります。
貸す側からすれば、期間が長ければ長いほど
貸した相手に不測の事態が起って返せなくなるリスクが大きくなりますし、経済状況も変動します。
よって、
「期間の長い金利>期間の短い金利」
という関係になるのです。
金融市場での金利水準においても、通常では、期間が長い方が金利が高くなります。
(イールドカーブ)
「短期金利」と「長期金利」
お金の貸し借りをする「金融市場」には、「短期金融市場」と「長期金融市場」があります。
1年以下の取引を行う「短期金融市場」はマネーマーケットとも呼ばれ、
ここでの金利を「短期金利」といいます。
短期金利には、借りた翌日に返済する「オーバーナイト物」(翌日物)金利と
それ以外の「ターム物」金利があります。
(ターム物の代表は「3カ月物」です。)
1年以上の取引を行う「長期金融市場」の金利を「長期金利」といいます。 ⇒「金融市場とは」
金利の先行きを読むことの大切さ
以上、金利の基本の基本を整理したところで
金融や金利についての知識を整理してゆくことの大切さについて考えてみたいと思います。
日本は長らく超低金利の時代が続いています。
欧米でもこのところ金利が急速に低下しています。
その要因は、中央銀行(FRB、ECB、BOE、日銀)による金融緩和(国債買い入れなど)です。
では、これからも低金利の時代は続くのでしょうか?
それに答えるためには、
中央銀行が望めば何でもできるか?について答えなければならず、
これについてはエコノミストの間でも見解が割れており、
現代はいわば人類がこれまで経験したことのない領域で壮大な実験が行われている、と言ってよいでしょう。
ここでは、
「中央銀行は、一定レベルまでは望むとおりのことを実現できるが
あるレベルを超えると、状況に強制された政策しか打つことができなくなる。」
とだけ答えておきたいと思います。
つまり、どこかの時点で金利が上昇し、制御できない(制御してはいけない)段階に入るということです。
もし、金利が急激に上がる事態になれば、私たちの生活に与える影響は甚大です。
住宅ローンを組んでいる人には破壊的な作用をもたらしますし、 ⇒「住宅ローンと金利」
金利が上がるということは、国債価格が下落することを意味するわけですが
それは銀行・生保などの金融機関に負のインパクトを与え、
金融システムそのものを揺るがすことになるでしょう。
本当に、こうしたことは起こるのでしょうか?
起った場合には、どうすれば家計を守ることにつながるのでしょうか?
もし、そのような可能性がるとするなら、今、何を準備するべきでしょうか?
金利の知識を整理し、金利の先行きを読むことは
それに答えることにつながって行くのです。
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