各市場の特徴(外国為替市場)
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各市場の特徴 (外為市場)
外国為替市場の各市場の特徴を見て行きましょう。
ロンドン市場
ロンドン市場は、変動相場制が始まって以来、常に世界1の取引高を記録しています。
BIS2010年調査(調査は3年ごと)では、世界全体の外国為替取引の36.7%を占め
東京市場の約6倍の規模をもっています。
これは、英政府が、ロンドン市場を外国金融機関に開放し、自由な活動を保証してきたことや
地理的にアジア市場と北米市場の中間に位置することなどの理由によります。
アジア市場で取引を終えたディーラーはロンドン市場でポジション調整の取引を行い、
ニューヨーク市場の早起きディーラーはロンドン市場で浅い一番の取引を始めます。
また、アジア通貨、中近東通貨、アフリカ通貨、中東欧通貨など多くの通貨市場が建っており
目新しい通貨ならロンドン市場に行くのが一番です。
ニューヨーク市場
ニューヨーク市場が開くのは、ロンドン市場の後場にあたる時間帯です。
ニューヨーク時間で午前8時半、ロンドン時間で午後1時半に
米国の経済指標が発表されることが多く、市場はその数字で動き始めます。
外為市場ではドルの力が突出して強く、ドルがらみの通貨取引が85%を占めるため
ドルの方向性に影響を与える米国の経済指標を世界のディーラーが注目するわけです。
このようにニューヨークの前場は、アジア勢、欧州勢が取引に入り非常に活発ですが
後場に入ると急激に参加者が減り、市場は薄くなります。
ニューヨークの後場は、1日の市場の終わりなので
世界中の市場参加者のポジション調整の場となり、
買い注文・売り注文、そしてストップロス(損失限定)注文が集中します。
非常に薄い市場の中で何らかの理由で為替レートが動くと
ストップロス注文の実行などによって変動幅が増幅され大きくなることがあり、
こうした特徴を利用した利益を狙う投機家も参入します。
ストップロスを利用した売買は、ニューヨーク市場の後場の特徴でもあり、
特に金曜日の後場はその傾向が強くなります。
東京市場
世界3大市場の一つである東京市場は、「顧客為替」の比重が非常に大きいことで知られています。
顧客取引量は全体の4割を占め、
自動車、家電などの輸出企業、生保、損保などの機関投資家の動きが
為替変動に大きな影響を与えます。
銀行のディーラーは、顧客の売買に合わせて自分のポジションを作る傾向が強く、
「どの顧客が買う、売る」という情報は、東京市場では極めて大きなウェイトを持ちます。
逆に言うと、顧客取引が低迷すると、市場全体の取引も不活発になります。
通貨別取引では、ドル/円が約6割と圧倒的に多く、
東京市場は、円を中心とした巨大ローカル市場とも言えます。
シンガポール市場、香港市場
シンガポール市場は、金融産業への優遇税制や人材などのインフラの力もあり、
外資系金融機関の多くがアジアの拠点にしています。
東京市場が邦銀の体力低下、税制上のデメリット、高コスト、日銀の為替介入などの要因から
外国銀行が東京を避ける傾向が生まれており、
シンガポールに軸足を移す動きが強まっているのです。
香港市場は、税制面でのメリット、中国への出入り口として魅力があり
取引高は世界6位になっています。
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