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景気・物価・為替と金利

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景気・物価・為替と金利 

金利はどのように決まって行くのか、
また、景気動向や物価、為替と、どのような関係にあるのかについて考えてみたいと思います。
金利と景気・物価・円安
ここで見て行くのは、金利についての一般的なモデルです。

つまり、このモデルと離れた変動が見られる(または変動しない)場合、
なんらかの特殊要素が働いていることになり、
それが何かを見極めることが次の経済動きを予測する上で重要になるということを意味します。

金利は、お金の需要と供給の関係で決まる(原則)

金利は、お金の需要と供給の関係で決まる
・・・これが金利の一般原則です。

お金の賃貸料(マネーの値段とも言えます)である金利も
重要と供給というマーケットメカニズムで決まって行くわけです。

お金の需要が強く(借りたい人が多く)、お金の供給が少ない(貸したい人が少ない)場合、
金利は上がります。

つまり、
 お金を借りたい人(需要)> お金を貸したい人(供給) ⇒金利は「上がる」
 お金を借りたい人(需要)< お金を貸したい人(供給) ⇒金利は「下がる」
ということです。

① 景気循環と金利

景気は通常、一定のサイクルで循環して行きます。(好況⇒不況⇒好況⇒不況・・・)

景気循環と金利

景気がよくなってゆけば(好況)、
消費が上向きになり、
企業の生産・販売活動が活発になって行き、
設備投資などの企業の資金需要が強まって行きます。

しがって、景気が上向きなる局面では
資金需要が強まり、「金利は上昇」して行きます。

逆に、景気が悪化して行く局面では
消費は縮小し、企業活動が低下して行くわけですから、
資金需要は低下し、「金利は下降」して行きます。
景気と金利

そしてこのように「景気につき従う形で金利が動いて行く」ことには
重要な役割があります。

もし、「景気が上向いて行く」局面でも「金利が低い」ままだとしたら
当然企業は、低い金利で資金調達し、設備投資を加速させるでしょう。

その波及効果で景気の拡大はさらに膨らんで行きます。

みんなが浮かれた状態に入って行くわけですが、
やがて生産能力(物の供給力)は過剰になって行き、
物の値段が下がる⇒収益が悪化し始める⇒消費減退局面に入る・・・
ということになり、
過剰になりすぎた設備(生産力)と膨れ上がった負債(借金)が企業に残ることになります。

景気上昇局面で、金利が上がって行き、徐々にブレーキを踏まなかったことで
その反動としての不況は、より深刻なものになってしまうのです。

つまり、金利が景気循環につき従う自然な動きには
「安定化装置」(スタビライザー)の役割があり、経済循環を極端にしない働きがあるのです。

② 物価(インフレ)と金利

では、物価と金利の関係を見て行きましょう。

たとえば、物価が上昇してゆく気配を見せ、インフレが予測されるときはどうなるでしょうか?

原材料を仕入れて加工する製造業者なら、
原料の値段が安いうちに、なるべく大量に買い込もうとするでしょうし、
個人でも、例えば、不動産価格が今後上って行くと思えば、
今のうちに家を買おう、そのためにローンを早めに組もう、とするでしょう。

つまり、
物価上昇(インフレ)が予想される局面では、資金需要が増え、「金利は上がる」
ということです。

逆に、「物価がこれから下がる」と思えば、人々はインフレ局面とは逆の行動をとります。

買うのをなるべく遅らせれば、それだけ安く買えるわけですから
資金需要は減り、「金利は下がる」ということになります。
インフレと金利

金利の安定化機能とバブル

そして物価上昇・下降においても、「金利の安定化装置」の役割が果たされています。

もし、インフレになって行く局面でも金利が低いままだったら
企業はより多い資金調達を継続して、前倒しの原料購入を加速させるでしょうし、
人々も、物価が上がって行くのだから「我先に!」と同様に購買の加速行動をとります。

その結果、より多くの物が買われるわけですから、物価はさらに上昇するわけですが、
そこでもし、金利が低いままだったら?

物価上昇は、通常の限度を超えて進行してしまうことになります(いわゆるバブル状況)。

そして、その反動は、深刻なものになるのです。

ですから、インフレが予測される局面でもし、金利が上昇し始めないとしたら、
何らかの、自然でない力」が働いていることになり、
警戒が必要です。

私たちは、「景気や物価の動き」と「金利の動き」にかい離がみられる場合は
その要因が何かを見極め、その結果として何がもたらされるかを予測しなければならないのです。

③ 為替と金利 

では最後に、「為替」と「金利」の関係を見て行きましょう。

まず、「円安」に動いたときを考えてみます。

日本は、
日用品や衣料品、食料などの生活必需品、
そして原油や天然ガス、石炭、鉄鉱石などエネルギー・資源などを輸入に頼っています。

したがって「円安」になるとこれらの価格が高くなり、「物価は上昇」します。(インフレ)

そして、先に説明した通り、物価高(インフレ)は「金利上昇」をもたらします。

逆に「円高」に動いたときには
原材料・エネルギーコスト・日用品・食糧・飼料などが安くなりますから
物価は下落し、「金利は下がる」ことになります。

つまり、
円安と金利
ということです。


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