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金融と私たちの暮らし 

金融と生活

現代社会において、金融は極めて重要なファクターです。

金融や金利の先行きを「見通せる人」とそうでない人の間には
これからビジネス面ではもちろろん、個人の生活の上でも決定的な違いとなって現れるでしょう。

例えば、住宅ローンを組む場合、今はほとんどの人が「変動金利」を選択しています。

理由は「安いから」(=金利が低いから)です。

ではなぜ、変動金利は低い(安い)のでしょうか?

安いものには、常にその理由があります。

変動金利が低い理由は、
「金利上昇のリスク」を「住宅ローンを組む人が負う」仕組みだからです。

では、「安さ」に比べて、「負っているリスク」は大きいのでしょうか?小さいのでしょうか?

それは、これからの時代の見通し=金融・金利の今後の動向見通し、によって違ってきます。
(金利がこれから上がるのか、下がるのか、横ばいか)

この見通しを持てる人とそうでない人では、住宅ローンだけでも数百万円単位の損得差が生じます。

現代社会では、金融の知識が個人レベルで必要になっているのです。  (⇒金利と住宅ローン

金融とは何でしょうか?

金融知識の重要性について簡単に触れたところで
「金融」とは何か? というところから始めたいと思います。

金融とはお金を融資する」ということです。

つまり、「お金の融通」「お金を貸す」といったことがもともとの金融の意味です。

もっとも最近では、「お金を運用すること」や「お金を支払うこと」についても
金融という言葉で広く使われています。

ですから、住宅ローンを借りることも、
代金を一時的に誰かが立て替えてくれることの結果ですから
「金融の仕組み」の中での行為、ということになります。

金融とは
「お金の余っているところ」から「お金の足りないところ」へ融通して
経済の流れをスムーズにする仕組みのことです。

金融の役割

では、金融が社会・経済において果たしている役割ってなんでしょうか?

お金が「ある」ところから「ない」ところへ融通することを金融というわけですが、
金融がない場合にはどうなるでしょうか?

この場合、例えば、ある会社に事業計画があり、ビジネスチャンスがあったとしても
そのための手元資金がなければその計画は諦めなければなりません。

個人の場合でも、家を買いたいと思っても、その対価となる現金がなければ買うことはできません。

つまり、手元資金の範囲内でしか投資も消費もできない、ということになります。

ところが金融の仕組みがあれば、
資金に余裕のあるところから資金のないところにお金を貸し出すことによって
投資をあきらめたり、家を買うのをあきらめたりしないですみます。

バングラデシュのグラミン銀行は、
貧しい農村の貧しい人々への金融活動によってノーベル平和賞を受賞したのですが
この銀行の低金利・無担保融資によって、日々食べることに汲々とする生活を余儀なくされていた人が
ミシンを買い、農機具を買い、小さな事業を起こすことで、自立した生活とあすへの希望を手にしています。  (⇒マイクロファイナンス

金融が「経済の潤滑油」とか「経済の血流」などと呼ばれるのは
「経済の拡大」「そのための援助」という役割が金融にはあるからなのです。

金融のリスクと経済

経済の潤滑油としての金融の役割を果たしているのは
銀行などの金融機関です。

銀行などの金融機関はお金を貸し出して「支払いを待つ」というサービスを提供します。

でも支払を待っている間に、お金を貸した相手が支払いができなくなる場合があります。

このリスクを「信用リスク」といいます。

「信用リスク」は、金融機関が経済の潤滑油としての役割を果たす上で
重要なファクターとなります。

金融機関は融資する際に、どのような投資や消費のためにいくらお金が必要で
その企業や人に返済能力はあるのかなどを「審査」することで信用リスクを軽減しようとします。

この「審査」が「厳格」であればあるほど、金融機関の取るリスクは小さくなりますが、
それが極端な場合は、金融機関が利益を得るチャンスは小さくなりますし、
企業は融資を受けにくくなり、ビジネスチャンスを逃すだけでなく、
場合によっては経営が成り立たなくなることも起こり得ます。
(社会の経済活動全体が縮んでしまいます。)

逆にもし、「審査」が極端に「緩やか」になり、野放図にお金が貸されたらどうなるでしょう?

人も、企業も、政府も、安易にお金を借り、結果として借金が膨れ上がって返済不能に陥り、
最悪の場合は破滅してしまいます。

「審査」が極端に「緩やか」な状態は
これまで何度も何度も、私たちは見てきています。

例えば、日本のバブル期がそうですし、サブプライム問題を引き起こした米国の住宅バブルも
それが原因でした。

お金が余り、株価や地価が上がり続け、今後もそれが続くと誰もが思う時に
「信用リスク」の感度が極端に鈍り、
バブルを生み、破裂させ、結果として金融に大きな穴をあけ、経済に甚大な負のインパクトを与えるのです。

ですから、「金融の安定」は非常に重要です。

そして、中央銀行(日本では日本銀行)には、
お金の量が増えすぎて安易な金融が行われないように、
また、お金が減りすぎて必要なところにお金が回らない状態にならないように
経済と金融システムの「健全性」を保つために「金融を調節する役割」があります。(⇒日銀の金融政策

中央銀行が「通貨の番人」などと呼ばれるのは、その役割のことを指しているわけです。



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