経済危機/日本と世界

金利と住宅ローン

金融危機 経済破綻 世界・日本 > 金融入門 > 金利と住宅ローン

文字サイズ:

金利と住宅ローン 

住宅ローンを組むほとんどの人が、今、「変動金利」型のローンを選択しています。

金利と住宅ローン3

マンションの広告を見ても「月々の返済例」として変動金利型ローンでのシュミレーションを載せていますし、
変動金利型は、「毎月の返済額も、返済総額も安い」と思われていることがその理由でしょう。

では本当に、変動金利型は「安い」のでしょうか?

それは、
今後の「金利動向」しだい、ということができます。

例えば、
金利1.5%、返済期間25年で3000万円を借りたとします

この場合の「毎月の返済額は約12万円」ですが
金利が上昇した場合には以下のように返済額が増えて行きます。

金利が2.5%に上昇(1%の金利上昇) ⇒毎月の返済額は約13万5千円
金利が3.5%に上昇(2%の金利上昇) ⇒毎月の返済額は約15万円
金利が4.0%に上昇(2.5%の金利上昇)⇒毎月の返済額は約16万円

金利が上がると、当然、利息分は増えるわけです。

「変動金利型は5年間、毎月の返済額は変わらない」から大丈夫では?
という誤解が多くあるので、簡単に説明しておきましょう。

たしかに、もっともポピュラーな元利均等型の返済では
「毎月の返済額」は5年間変わりませんが、「金利そのものは見直されます」。

するとこうなります。
金利と住宅ローン
つまり、毎月の返済額のうちの「利息分」の割合が増えるということ。

「元金」の割合が減るわけですから、毎月同じ額を払っても、元金が減るスピードは落ちますし、
「金利が上がる」わけですから、「総支払額」は膨れ上がります。

そして、ローン返済の初期に金利上昇が起きた場合には
もともと「利息分」の割合が多い時期ですので、「利息分」が「毎月の返済額」超えてしまう可能性もあります。
金利と住宅ローン

こうなると、毎月支払いをしても、元金は減らないどころか
「未払い利息」が累積して行くという事態になるわけです。

つまり、
 ・「変動金利」型 ⇒ 金利上昇リスクを「債務者(ローンを返済する人)」が負う
 ・「固定金利」型 ⇒ 金利上昇リスクを「銀行」が負う
ということです。

では、金利動向によって、総支払額にどのような差が現れるか、シュミレーションしてみましょう。

例)25年ローン、借入額3000万円

変動金利1.0%
・25年間、金利水準がほぼ1%程度で推移した場合 ⇒総支払額 約3400万円
・返済開始から2年後に金利が4%に上昇、その後4%で推移 ⇒ 総支払額 約4900万円
・返済開始から2年後に金利が6%に上昇、その後6%で推移 ⇒ 総支払額 約5800万円

固定金利2.0%   ⇒総支払額 約3800万円

上記のとおり、低金利の時代が今後25年続くと考えられるなら
変動金利型を選べば、
固定金利型2.0%に比べて、支払総額で400万円安く済む、ということになります。

ただし、今後の金利上昇局面が想定されうるなら、
1,000万円単位で支払総額が増加するリスクがあるということを考慮しなければなりません。
(いきなり金利が4%、6%に跳ね上がらなくても、
 たとえば2年くらいかけて金利が上昇した場合でもほぼ同様の支払総額となります。)

「金利の先行き」を読むことは、住宅ローンを選択する上で、
そして家計を守る上で、非常に重要なことなのです。

 


関連ページ

金融・住宅ローン・生命保険

powered by Quick Homepage Maker 5.1
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional