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中国の債務2013/4

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中国、地方債務拡大 

(2013年4月19日)

中国国債の格付け見通し下げ

中国の信用力に対する格付け書き者の見方が厳しくなってきている。

米ムーディーズ・インベスターズ・サービスは4月16日、
中国国債の格付け見通しを「ポジティブ(強含み)」から「安定的」に引き下げたと発表。

英米系のフィッチ・レーティングスも9日に
「ダブルAマイナス」から「シングルAプラス」に1段階下げている。

両者が中国の信用力見通しを引き下げたのは、隠れ借金を含めた公的債務が増大し
実質ベースでの公的債務のGDP(国内総生産)比率が高まっている可能性があると見ているため。

中国政府の公表している国債などの公的債務残高は
2012年末時点で、約7兆7600億元(約122兆円)。

この数字なら、GDP(国内総生産)比で約15%で
中国政府の健全財政の目安「60%以下」を大幅に下回っていることになる。

ただし問題は、地方政府が抱える「隠れ借金」が一体いくらあるのか?ということだ。

地下経済からのマネーに頼る地方政府の債務

中国の招商証券などの証券会社は、地方政府の債務を15兆元と推計している。

元財務相の項懐誠氏は「20億元」(約317兆円)を超している可能性があるとの見方を示している。

つまり、中央政府と地方政府を合わせると、GDP比で50~60%の債務残高があるということになる。

中国では原則として地方債の発行は禁じられており、
銀行からの融資も規制されている。

しかし、地方政府は「融資平大」(プラットフォーム)と呼ばれるいわば地下金融から資金を借り入れ、
インフラ投資を拡大してきた。

中国はこれまで、インフラ投資によって景気のテコ入れを行ってきたが、
これが地下経済を巻き込む形で膨張しているのである。

状況によっては欧米と同様の財政危機・債務危機をもたらす可能性があるということだ。

さらに、旧鉄道省の鉄道建設債務た年金債務などの公的借り入れもあり、
これらを含めると、「政府債務はGDP比90%を超える」との見方もある。(華泰証券)

中国人民銀行は、人民元の基準値を2005年の元切り上げ後の最高値に設定したが
これは「資本流出のリスクを減らすためではないか」との見方も出ている。

経済の減速、住宅バブルの膨張、地方政府の隠れ借金・・・
中国経済は様々な問題が表面化し始めている。

(2013年4月19日)


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