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金相場2012/3

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金相場、高値調整へ (2012年3月)

金相場は、年初から上昇が続いていたが、一転反落の様相を強めている。

潮目の転換点は、
2月29日に米議会で行われたFRB(米連邦準備理事会)バーナンキ議長の議会証言。

東京金(2012年2~3月)

期待されていた量的緩和第三弾(QE3)への言及がなかったためだ。

2月下旬には1800ドル/トロイオンスに迫っていたが
3月6日は1700ドルを割った。

NY 金価格の推移(2012年1月~3月)

金相場と金融緩和

金相場の上昇は、基本的にFRBの金融緩和がその背景にある。

グリーンスパン前FRB議長の金融緩和策によって米住宅バブルが発生し、
サブプライム危機、リーマンショックが引き起こされた。

そこでFRBが行ったことは米国債とモーゲージ担保証券(MSB、住宅ローン担保証券)の大量買い付けによる、ドルの市場放出であった。

金融緩和がもたらした危機を、金融緩和によって一時的に抑えるという
矛盾した政策を取らざるを得ないというのが、現在の世界の状況であり、
危機は増幅され、制御不能な地点まで金融緩和は続けられることになる。

つまり、基軸通貨ドルの際限のない「劣化」の中で
価値の基準たる「金」が急激な上昇トレンドに入ったといえる。

金価格・年推移(ロンドン金) 

ドル・マネーサプライ推移


金価格のトレンドと金融商品の選択

現在(2012年3月)は、米国経済が一見回復したかに見える指標が出そろい、
FRBが金融緩和を行う必要が見当たらない期間に入ったことで金相場はドンと下げる局面となっている。(この米景気回復も、金融緩和によって底上げされたものにすぎないが。)

(昨年後半は、欧州危機によって手持ち資金が枯渇した金融機関が
 金売りを行い、金相場が急落した。)

今後の金相場は、急落局面を何度も見せながら
全体としては2000ドル、3000ドルと上昇して行く。
(東京金相場は、5000円、6000円とさらに上がる)

金の「現物」投資や、「純金積み立て」などであれば確実な資産運用といえるが
「先物」は、今後大きな下落局面を何度も見せることになることが予想されることから
よほど資産に余裕がある人以外は手を出すべきではないだろう。

レバレッジを効かせている分、下落局面で損失は膨らみ、
「追証」が払える限界まで資金を突っ込み、すべてを失うおそれがある。

(2012年3月9日)


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