経済危機/日本と世界

シェールガス調達を政府が債務保証

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シェールガス調達を政府が債務保証 

(2013年2月15日)

1兆円の債務保証枠を新設

政府は、
世界でエネルギー革命を起こしつつある「シェールガス」の事業に参入する日本企業の資金調達を支援する

1兆円の債務保証枠を新設し、
シェールガスの「プラント建設」「権益取得」を資金面で支える

福島第一原発事故後、石炭・ガス火力に傾斜せざるを得ない日本は
燃料輸入により貿易赤字が常態化しつつあり、
アベノミクスがもたらす円安はこの状況に拍車をかけようとしている。(⇒「脱原発と燃料費と円安」

新設される「1兆円保証枠」は
資源政策の軸足を「長期・安定調達」の従来路線から「コスト抑制」への転換を睨んだものだ。

具体的には、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)を通じて保証制度を拡充し、
 ・保証上限を50%⇒75%に引き上げ
 ・保障の1~2割引き下げ
 ・基準料率0.8%⇒0.7%へ引き下げ
などで、
シェールガスの権益取得やプラント建設など燃料の安値調達につながるプロジェクトを支援する。

その第一弾としては、大阪ガスと中部電力、三井物産と三菱商事、住友商事と東京ガスの
3グループが計画しているガス液化プラントの建設・整備事業が想定されている。

シェールガス革命と日本の資源調達

米国で進むシェールガス革命は、世界の経済構造を変えようとしている。

米国はエネルギー輸入国から輸出国に代わり、
エネルギーコストは石油中心時代から数分の1になって行く可能性が高い。

中東の地位も変わり、マネーの流れも大きく変化してゆくだろう。

日本の液化天然ガス(LNG)輸入価格は100万BTU(熱量単位)あたり15~16ドルで
米国の約5倍という高値のまま。

米産ガスを液化して輸入すれば、輸送コストを含めても10ドル程度で輸入が可能になる。

これまで日本の電力会社は、
燃料費増加分を総括原価主義によって電気料金上乗せするという安易な形で行ってきたため
LNG輸入においても厳しい交渉をしてこなかった。

安定調達・長期契約が基本であったため、足元を見られ割高な燃料調達が続いてきた。

輸入費抑制には、電力料金値上げの査定の厳格化が必要になる。

また、今回のシェールガス保証枠は
ロシア、オーストラリア、アフリカなどのガス権益確保も保障の対象とすることで
調達先の多様化により国際的な交渉力を高めることも狙いの一つとしている。

(2013年2月15日)


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