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ヘッジファンド動向(2013年6月)

米国でヘッジファンド広告が解禁へ(年内にも)

米証券取引委員会(SEC)は、年内にもヘッジファンドの募集広告を解禁します。

ヘッジファンドは、運用実績などの公表を行わないファンドも少なくないため、
広告の解禁によって、これまでベールに包まれていた運用実態などの情報が入手しやすくなるという利点があります。

ただし、広告解禁はヘッジファンド側が求めていたという経緯もあり、
緩和マネーが流れ込み、運用資産の膨張が始まっているヘッジファンドがさらに勢いを増し、
日本を含む世界で個人マネーの争奪を繰り広げることになりそうです。

SECは、個人の投資について、
「住居を除く純資産が100万ドル(約1億円)を超える」または「過去2年の年収が20万ドル(2千万円)を超える」
富裕層にのみヘッジファンドへの投資を認めていますが、
広告解禁後も、この規制は継続されます。

「マクロ戦略」ヘッジファンドも損失

世界の債券相場が下落(金利は上昇)に向かう中で、
「マクロ戦略」のヘッジファンド5月の投資収益は、マイナス1.5%となりました。
(7カ月ぶりの低水準です。)

マクロ戦略とは、株や債券、通貨、デリバティブなど様々な金融商品を
世界経済の各市場にある「ゆがみ」を見つけて売買する投資戦略をいいます。
(ジョージ・ソロス氏のファンドが有名です。)

金融緩和によって、米国債などの安全資産⇒株式などのリスクのある投資対象に向かう流れが
5月22日に急変し、債券下落(金利上昇)と世界株安の状況となりました。

CTAだけでなくマクロ戦略ヘッジファンドもこの急変で損失を膨らましているわけです。

市場では、ヘッジファンドが債券の損失を株式の売却でカバーしているとの観測が広がり、
株式市場では警戒感が強まり、株式「売り」の圧力として働いています。

一方、債券で運用する「投資信託」などのファンドも苦戦しています。

調査会社リッパーのまとめでは、米国の投資信託や上場投資信託(ETF)から
6月5日までの1週間だけで「91億ドル(約9000億円)の資金が流出」しています。

米国の債券運用大手ピムコの旗艦ファンドは、5月の運用成績が「マイナス2%」となっっています。
(リーマンショック以降で最悪の実績)

ヘッジファンド、大幅損失(6月5日)

ヘッジファンド大手のマン・グループは「5月27日~6月3日の1週間」で
主力ファンドの運用資産が6.1%減少したことを明らかにしました。
(週間の減少率では、同ファンドの過去最大)
(5月の月間では、8.1%減少しました。)

マン・グループは、
株式、債権、商品など世界の先物をコンピュータプログラムで売買するCTA(商品投資顧問)ファンドの大手です。
(CTAは、トレンドフォローと呼ばれ、相場の動きに追随します。)

5月22日に行われた
FRBバーナンキ議長の緩和縮小発言(⇒FRB、量的緩和を当面継続)や、
日銀黒田総裁の「長期金利はコントロールできない」発言(⇒日銀総裁「長期金利抑制に尽力」)などで、
5月23日に日経平均が1143円安になるなど、世界の株価が大きく下落。

日本株の先物や世界の債権の持ち高を増やしていたマン・グループの損失が膨らんだのです。

ロンドン証券市場に上場しているマン・グループの株価は1日で17%下落しました。

ヘッジファンド新設増加(2013年1-3月)

米調査会社のヘッジファンド・リサーチ(HFR)によれば
2013年1-3月のヘッジファンド新設は、世界で297本となり、
昨年1-3月の304本以来の高水準となっています。

株式の買いと空売りを組み合わせた戦略を取る「株式中立」ファンドが132本で、全体の4割。
世界の株・債券・為替市場に投資する「マクロ」戦略ファンドが93本です。

日本市場における株高・円安のトレンドも「マクロ」ファンドの動きと密接であり、
今後の動向に注目が必要です。

ヘッジファンドの運用資産、5兆5000億ドルへ増加(2012年)

2012年のヘッジファンドの運用資産は5兆5000億ドル(約540兆円です)。
(日本のGDP国内総生産が528兆円ですから、いかに大きな規模の投資がなされているかわかります。)

これは過去最高であり、前年比で10%増となっています。
(2008年から50%の増加。)

ただし、ヘッジファンドの2012年の投資収益は6%程度と
米国株の市場平均である13%高よりもかなり「低い」のです。
ヘッジファンドに委託するより、米国で普通に株式投資した方が儲かった可能性が高い、ということ)

しかし、大手の年金基金などは、単純な株式投資では投資収益の維持は困難との判断に傾き、
ファンドへの委託を急速に増加させているのです。     (⇒膨張するヘッジファンド

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