経済危機/日本と世界

生命保険会社の「格付け」

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生命保険会社の「格付け」 

生保の破たん
日産生命1997年4月
東邦生命1999年6月
第百生命2000年6月
大正生命2000年8月
千代田生命保2000年8月
協栄生命2000年10月
東京生命2001年3月
大和生命2008年10月

生命保険を選ぶにあったって、
「生命保険会社を選ぶことは非常に重要です。

1997年の日産生命の破たんに始まり、
東邦生命、第百生命、大正生命、千代田生命など生保の破たんが相次ぎました。

最近では、サブプライム・ショックを受け
2008年9月に米国の保険最大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)が経営破たんし、実質国有化され、
同10月にはサブプライムローン債権などのリスク資産投資により大和生命が破たんしています。

世界の金融状況は深刻度を増しており、
今後も生保の破たんが続くのは間違いなく、
TVでコマーシャルをひっきりなしに流している大手生保が突然倒れることも
十分考えられる時代であることを、私たちはしっかり認識する必要があります。

格付けとは

AAA投資適格
(安全)
AA
A
BBB
BB投機的
破たんの
危険あり
B
C
D

私たちは安全度の高い保険会社から保険を選ぶ必要があるわけですが
その判断基準となる指標として
S&Pなどの第三者機関による「格付け」があります。

これは、債権の発行元、保険商品の販売元が
支払不能に陥るリスク(デフォルトリスクといいます)をはかる指標です。
格付け機関(会社)によって表記方法に若干の違いがありますが
AAA(トリプルA)が最も安全度が高く、
AA、A、BBB、BB、B、・・・C、D と安全度が低くなります。

BBB以上が、「投資適格」
BB以下が、「投機的」(危険度が高い)
とされています。

(格付けは、さらに細かく段階設定されており
 たとえば AA+ ⇒ AA ⇒ AA- と、信用度が下がって行きます)

生命保険会社の格付け

実際の生保各社の格付けを見てみましょう。

  生命保険会社の格付(2011年)

保険会社名R&IS&P
東京海上日動あんしん生命AA+AA-
ソニー生命AAAA-
アクサ生命AAAA-
三井住友海上あいおい生命AAAA-
日本生命AAAA-
アメリカンファミリー生命AA-AA-
プルデンシャル生命AA-
AIGスター生命AA-
明治安田生命AA-A
第一生命A+A
大同生命A+A-
富国生命AA-A-
太陽生命A+A-
住友生命AA-
オリックス生命AA-
三井生命BBB-BBB-
朝日生命BB-BB-


格付で生保会社を選んでよいか?

では、格付けによって保険会社を選べばよいのでしょうか?

AAの保険会社なら安心でしょうか?

結論から言えば
格付けは、「一つの目安にしかならない」といえます。

たとえば、S&Pなどの格付会社は
サブプライムローンを組み込んだ証券化商品をずっとAAA(トリプルA)としてきました。

しかし米国で不動産バブルがはじけ、AAAと格付されてきた金融商品は暴落したのです。

(格付けを信じて買い込んできた銀行、生保などは巨大な損失を抱えることになっています。
 この1例だけでも、格付けが万全ではないことがわかります。)

もし、今の時点で、格付けがAAの生保でも
大きな割合で資産運用しているある債権が暴落する事態に直面したなら
支払能力を失い、一気に破たん、ということも起こり得るのです。

また、財務を粉飾していた場合には
外からは見ることはできません。
(破たん時には、膨大な債務超過に陥っていたことが発覚する、という現実は
 私たちがこの10年20年の間に散々見てきたとおりです。)
(生命保険会社の財務ディスクロージャーは1990年代後半から始まったものであり、
 生保各社も情報開示に積極的とはいえないため
 外部から評価するのは一定の限界があるのです。)

ただ一方で、
2008年10月に破たんした大和生命は、9月まで「BB」という格付でした。
(10月1日に、Bに格下げされています)

また、以下に、2000年、2001年に破たんした生保の格付けを見てもらえば分かる通り
1999年時点で、すべて「BB」または「B]という格付けとなっています。

破たん生保の1999年格付け(R&I)
生保名協栄生命千代田生命東邦生命第百生命東京生命大正生命
格付けBBBBB+BBB+B

つまり、現時点ですでに格付けが低い生命保険会社は
破たんする可能性が高いと見るべきであり、契約を見合わせることが賢明です。


生命保険会社の格付けを見て、利用するポイントは
高い格付けであるからといって安心できるわけではない
既に低い格付けの場合は、契約しない
ということになります。

長期契約の金融商品である生命保険は、
現在の不安定な時代においては、非常にもろい面を持ち合わせていることを
十分認識する必要があります。

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