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欧州の金融動向(2013年7月)

LIBOR算出をNYへ移管(7月10日)

ロンドン銀行間取引金利(LIBOR、ライボ)の算出と運営責任が
ニューヨーク証券取引所を運営する米NYSEユーロネクストに引き継がれることが決まりました。

LIBORは金融取引の指標金利であり、従来、英国の金融界が自主的に運営していましたが
複数の大手銀行や規制当局までもが不正操作を続けていたことが発覚し
制度改革が不可避となっていました。

NYSEユーロネクストは、ロンドンにすでにLIBOR算出のための子会社を設立していますが
欧州連合(EU)も監督権を主張しているため、英当局とEU間での協議が必要となります。

欧州中銀、金利据え置き、今後の利下げを示唆(7月4日)

欧州中央銀行(ECB)は7月4日の理事会で、
17カ国に適用される政策金利を0.5%に据え置くことを決定しました。

また、同日行われた記者会見においてドラギ総裁は
「金利は現行水準か、それよりも低い水準で据え置く」との声明を読み上げ
今後、1段の利下げに動く用意があることを表明しました。

ECBは、「マイナス金利」導入を検討するなど、欧州危機の再燃に神経をとがらせています。

英中銀も、金融政策を据え置き(7月4日)

イングランド銀行(中央銀行、BOE)は7月4日、金融政策委員会において
政策金利を過去最低艇である0.5%に据え置くことなどを決定しました。
(英国債を買い取り、資金供給する量的緩和の枠も3750億ポンド、約57兆円、に据え置き)

カナダ中銀総裁であったカーニー氏がイングランド銀行総裁となり初の政策委。

カーニー総裁は英中銀への就任前に
「政策目標をGDP成長率切り替える」構想に言及するなど金融緩和策に機動的動く姿勢を見せており、
今後のかじ取りが注目されています。

欧州委、投資銀行のルール侵害を指摘

EU欧州連合・欧州委員会は、7月1日、
英バークレイズ、米ゴールドマン・サックスなど主要13の投資銀行について
クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)に関しEUルールを侵害したとの初期調査を発表。

CDSは、国や企業の債権債務に対する、いわば保険商品のようなデリバティブですが
CDS市場は、金融機関同士の相対取引で発展してきたという経緯があります。

欧州委員会は、同市場に、
ドイツ取引所と米シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)が参入しようとした際に
投資銀行などがこれを阻害した疑いがある、とのこと。

最終的に違反が確認されれば、投資銀行は多額の制裁金が課される可能性があります。

対象となる投資銀行等は以下。
バンク・オブ・アメリカ、ゴールドマン・サックス、シティ・グループ、
バークレイズ、ドイツ銀行、BNPパリバ、
国際スワップ・デリバティブズ協会、金融情報会社マークイット、など。

欧州の金融動向(2013年6月)

クロアチアがEU加盟へ

欧州連合(EU)にクロアチアが7月から加盟することがEU首脳会議で確認されました。(6月28日)

これでEUは28国体制になります。
(新規加盟は6年半ぶりで、欧州債務危機後では初めてとなります。)
(2004年には東方拡大で10カ国が新たに加盟)
(2007年にブルガリア、ルーマニアが加盟)
(セルビアも加盟に向けてEUとの交渉を開始する)

欧州債務危機と深刻な経済不況に直面する欧州諸国にとって
EUの存在は経済・金融の安定装置として意識され始めていているようです。

「個人の金融所得の情報」を各国で共有化へ

欧州連合(EU)の欧州委員会が
EU域内住民の「金融取引による所得情報」を、各国の税務担当者が自動で交換・共有する
という提案を、欧州議会と加盟国にしました。(6月12日)

企業や富裕者の、租税回避(税率の低い国で納税する)や脱税をEUが一体となって防ぎ
税収増を図るのが目的です。

株式配当や、資本利益などの金融取引に絡むすべての所得情報を
居住国・出身国などの関係税務当局が共有し、課税する、という内容となっています。

LIBORをEUが監督へ

ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の不正操作問題に関連して
同金利を欧州連合(EU)が監督する方針を提案されることになりました。

英国は、英国政府がLIBORを監督する方針を打ち出していることから
英国の反発は必至です。

LIBORはこれまで主要銀行のトレーダーが実勢金利を報告することで自主管理されてきましたが
複数の銀行が関連した、長年にわたる不正な操作が発覚しました。

世界の市場関係者が注目する金融指標が
ギャンブルの胴元がイカサマを行うかのように共謀で操作されていた事実の発覚は大問題に発展し、
政府部門が監督すべきだとの声があがっていました。

EUの欧州委員会は、LIBORが英国だけでなく広く指標金利として利用されていることから
EU全体での監督が必要であり、
ユーロ圏の基準金利であるEURIBORも同様であるとしています。

欧州委員会は今夏にも同提案を発表する予定です。

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