40年物国債2013/5
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40年物国債、入札不調
《ポイント》
- 注目されていた40年物国債の入札が不調に終わった。
- 生保の買いは弱く、これを受け金利が上昇している。
- 日銀の金融緩和が、市場を混乱させ「国債リスク」を意識させ始める原因となっている。
注目されていた40年物国債の入札が不調に終わった。(5月22日に入札実施)
最高落札利回りは、市場予想を上回り
高い金利がつかないと国債が買われない市場の雰囲気が印象付けられた。
応札額を落札額で割った「応札倍率」も前回入札を下回り、不調ぶりを裏付けた。
10年を超す超長期債は生命保険会社が主な投資家だが
日銀の異次元金融緩和により相場の変動が激しくなり、生保の買いは極めて弱くなっている。
これを受けて金利は上昇。
30年債の利回りは一時0.865%になり、
20年債の利回りも3カ月ぶりの高さになった。
黒田日銀総裁が4月に打ち出した異次元金融緩和策は
40年債を含むすべてのゾーンでの国債購入により
金利全体の利回り曲線(イールドカーブ)を押し下げる効果を狙ったもの。
しかし実際に起っていることは、
日銀が介入することで投資家の売買は減り、債券市場が乱高下することでリスク意識が高まり、
現時点では短期、中期、超長期すべての金利が上昇している。
大手銀行は短期国債の売りを強めており、
今後、多くの投資家もこれに追随して国債売りに回る可能性が高くなっている。
日銀の金融緩和(国債購入拡大)が、市場を混乱させ、国債リスクの意識を高めているのであり
日銀のコントロールが効かない状況にあることが
さらに国債に対するリスクを意識させて行こうとしている。
ある意味で、かなり危険なステージが、
予想以上に早い段階で始まったと言える。
市場は5月22日金政策決定会合後の黒田総裁の発言を注目しているが、
一時的にどう動こうが、この危うい流れを変えることは容易ではない。
(2013年5月22日)
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