金融庁、S&Pに業務改善命令
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金融庁、S&P日本法人に業務改善命令
(2012年12月15日)
金融庁は12月14日、米大手格付会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)日本法人対して
業務改善命令を出した。
証券取引等監視委員会が検査した結果、誤った格付けをした例が複数に上り、
同社の業務管理体制が不十分であると判断した。
格付会社への業務改善命令は国内で初めてのことであり、主要国でも例がない。
金融庁が指摘したS&P日本法人の主な問題点は以下。
- 投資対象企業の倒産や債務不履行の状況確認をせず、格下げをしていない。
- 数字情報を誤入力。チェック体制がなく、誤りを見逃している。
- 古い格付けを誤って公表。
- 格付け公表の社内手続きの規定が適切でない。
特に問題視されたのが、
企業の信用リスクを取引するクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)を束ねた証券化商品の格付け。
CDSは倒産保険の一種とされるクレジットデリバティブで、現金と貸倒れを交換する金融商品である。
格付会社は、CDSを組成し投資家に売っている金融機関側に、対象企業の倒産状況などを確認し
必要に応じて格付けに反映させなければならない。
S&P日本法人は、この確認を怠り、2年間にわたり誤った格付け付与していたCDS証券化商品が3銘柄あった。
また、社内で決めた格付けと異なる格付けを誤って公表した例も7銘柄見つかるなど
杜撰な業務管理システムの問題が浮き彫りになった。
S&P日本法人は
代表取締役の50%を3カ月返上する社内処分を発表し、
一連の間違いについては自主的に訂正した。
(2012年12月15日)
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