米欧、FTA交渉開始へ
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米欧、FTA交渉開始へ (2013年2月)
米国と欧州連合(EU)は2月13日、
FTA(自由貿易協定)を含めた貿易・投資協定の交渉を開始るとの共同声明を発表した。
米欧のFTAが成立ことになれば、世界貿易量の3割、GDPの5割を占める巨大市場の誕生となる。
オバマ首相は12日の一般教書演説でEUとの交渉開始を目指す考えを表明していたが、
今後米政府はは議会への事前通知の手続きに入り、
EUは、全加盟国からの承認を得る作業に入る。
膨らむ期待、乗り越えなければならない溝
米EU間の関税は、平均で4%と、世界的に見れば既に低い水準にある。
ただし乗用車はEUが10%、米国も2.5%の関税が残っている。
これらの関税が撤廃されれば双方ともに輸出を拡大できる可能性があり、
GDPを、EUは0.5ポイント、米国は0.4ポイント押し上げる効果をがあるとの試算もある。
また、米EUの経済圏が成立すれば
「製品規格」「企業向けの産業規制」「農産物の品質基準」が統合される可能性が高い。
これは米欧双方の貿易コストを引き下げる効果を生むと同時に
「事実上の国際基準」(デファクト)として欧米以外のすべての国に影響を持つもとなるだろう。
では、米欧の交渉が短期間に妥結に至る可能性はどうか?
そこには乗り越えなければならない壁がいくつも存在する。
米国は、農畜産物の輸出を前面に掲げ、
EUの農畜産物の検疫体制を「非関税障壁」だと指摘。
EUは、遺伝子組み換え食品に否定的であり、製品や食品の安全基準の厳格さにおいて
米国と大きな差がある。
ある意味で長い期間の間につくられてきた文化や国民の考え方に大きな溝があり、
双方の国民を納得させ、妥協によってこれを乗り越えてゆくのは容易な作業ではない。
ただしこの交渉開始の背景には、
新興国の台頭に対抗して米欧の優位を維持したいとの意思が働いており、
米欧の世界戦略上、重要な意味付けをもって進められているものだ。
今後の動向に注目して行くべきだろう。
(2013年2月)
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