経済危機/日本と世界

市場介入と外貨準備・政府の借金

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市場介入 (外貨準備と政府の借金) 

市場介入と「外貨準備」

市場介入は、「外貨準備」の増減を伴います。

例えば、日銀がドル買い介入を行う場合、
市場から買ったドルが外貨準備として計上されるわけです。

例えば、以下のようになります。

・ドル(ユーロ)買い介入 ⇒ 外貨準備高「増加」
・ドル(ユーロ)売り介入 ⇒ 外貨準備高「減少」

ドル買い介入で日銀が、邦銀や外銀から買ったドルは
ニューヨーク連銀にある日銀勘定を通じて、財務省に振り込まれることになります。

そして、この振り込まれた額の大部分は米国債で運用されます。


  《日本の外貨準備》

日本の外貨準備(単位:100万米ドル)
外貨証券1,181,973
預金14,871
IMFリザーブポジション14,574
SDR19,955
42,291
その他429
合計1,274,160



外貨準備の国別比較では以下のようになっています。

外貨準備高・国別比較

グラフを見てわかる通り、外貨準備高が上位の国に共通するのは「輸出依存型」経済の国であることです。

輸出依存であるがために自国通貨高を嫌い、「ドル買い・自国通貨売り」の市場介入が増え、
その結果として外貨準備高が増加するという形になるわけです。

特にアジア諸国は、アジア通貨危機において外貨準備枯渇が危機を増幅させたという経験から
外貨準備をより厚くしておきたいという志向が強いという面もあります。

外貨準備は、一定の運用益をもたらしますし、他国への債務返済に備える資産でもあるわけですが
多ければ多いほどよいというものでもなく
また、米国債に偏っている現状は安全面での問題がないとは言えず、分散化が必要といます。

市場介入と「政府の借金」

「ドル買い・円売り介入」をするためには円資金が必要になります。

この円資金は、財務省が「政府短期証券」(FB)という証券を発行して調達します。
(FBは公募入札方式であり、市場で売れ残った分は日銀が引き受けます。)

つまり、為替介入の資金は「政府の借金」によって行われているということです。

そしてこの介入資金の管理は、
「外国為替資金特別会計」(外為特会)で行い、一般会計と区別して管理しています。

FB発行残高の推移を見てみましょう。

2002年3月末 …49兆円
2004年6月末 …100兆円
2012年3月末 …199兆円

FB発行という形で3カ月で資金調達した債務が200兆円に膨れ上がり、
借り換えを継続することで、実質的に中長期債務になっているのです。


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