南ア/経済2013/6
金融危機 経済破綻 世界・日本 > ニュース > 国際ニュース > 南アフリカ・経済
南アフリカ・鉱山ストとランド安
(2013年6月10日)
南アフリカのズマ大統領は5月30日、長引く鉱山ストライキに対して
「ストライキは問題ではない」
「ストがないのは非民主的な国家だけだ」
という趣旨の発言を記者会見で繰り返した。
市場の懸念をよそに、労働問題への政府の対応がないことに対して
市場はランドの失望売りで答え、ランドは下げ基調を強めている。
南アフリカは、プラチナの生産量と埋蔵量で世界一を誇る。
プラチナ鉱山のストライキがさらに長期化すれば
生産が滞り、経済成長の一段の悪化が避けられなくなる。
南アフリカ経済の状況は芳しくない。
2013年1-3月期の実質国内生産(GDP)は、0.9%増。
2012年10-12月期の2.1%増から大きく鈍化している。
マイナス成長が続く欧州連合(EU)向けの輸出が減少し、
金属加工を含む製造業が伸び悩んでおり、
2013年4-6月期もストなどの影響により減速の見通しだ。
中央銀行は2013年の成長率を2.7%から2.4%に引き下げており、
政策金利の引き下げを予測する見方も浮上している。
ただし、インフレ率も5.9%(4月)と
中央銀行の目標範囲である3~6%の上限付近まで上昇しており、利下げが難しい現実もあり、
中央銀行のかじ取りは難しさを増している。
冬を迎える南アフリカではこれから電力需要期を迎えるが、電力不足の懸念も広がっている。
ランドは冬が終わる9月頃まで買い材料がほとんどなく
軟調な相場が続き見通しだ。
(2013年5月23日)
関連ページ
・南アフリカ・ランドの低迷 (2013/5/23)
・FRB、量的緩和を当面継続 (2013/5/23)
・欧州企業、減益続く (2013/5/14)
・中国の人件費、3年で64%上昇 (2013/5/14)
・ECB利下げ (2013/5/3)
・安定成長を目指す中国 (2013/4/25)
・金の急落と今後の見通し (2013/4/17)
・米住宅価格、上昇へ (2013/2/28)
・FRB議長、量的緩和の継続姿勢 (2013/2/27)
・白金、パラジウム、供給減 (2013/2)
・今年の金価格、投資銀行予測 (2013/1)
☆国際金融ニュース一覧 / ☆国内金融ニュース一覧