経済危機/日本と世界

金融庁、住宅ローンで銀行調査

金融危機 経済破綻 世界・日本 > ニュース > 国内ニュース > 金融庁、住宅ローン銀行調査

金融庁、住宅ローン銀行調査 (2012年2月17日)

金融庁は、全国の銀行を対象に
住宅ローンに招集準を絞った検査に乗り出した。

貸倒が増加する中で、過度な低金利競争を抑制するのが狙い。

日銀によると、住宅ローンの貸倒率
07年度の0.03%から、09年度には0.4%へ急上昇している。

一方、競争激化による金利低下で銀行の採算は悪化しており、
大手銀行の住宅ローンの利ザヤは0.1%。
地域銀行においても0.5%となっている。 ( ⇒銀行の貸出金利が最低に(2012年1月)

金融庁は、
損失に備えて十分な貸倒引当金を積んでいるか、
損失が膨らんだ場合に財務の健全性が維持できるか
などを点検し、
低水準のローン金利設定や融資審査基準について
見直しを迫る場合も想定している。


住宅ローンを組み、住宅購入する人も注意が必要

住宅ローンの金利タイプ別利用状況

現在、住宅ローン借り入れ残高の90%以上が
「変動金利」(59.2%)や、
3年・5年・10年などの「固定金利選択型」(3年・5年・10年後には変動金利へ)
となっている。

ローン利用者にとって非常にリスクが高い変動金利や固定金利期間選択型に
過度に偏向している状況が年々拡大している。

マンションの広告は
「頭金ゼロ」「家賃よりも安い返済額」をうたい、
業者も、銀行も、
「日銀は金利をあげる状況にはないので、これからも金利は上がりません」
「今なら(変動金利で)安くローンが組めます」
といったセールストークでバラ色の将来を売っている。

私たちは、「変動金利」「固定期間選択型」などで
想定していた以上の価格帯のマンションなどが買えるという幻想を持たされ
自分の資金力以上の物件を買うことを煽られている。

はっきり見ておかなければならないのは
これは、米国でサブプライムローン問題を引き起こした構造と
全く同じということ。

たしかに日銀が金利をあげる状況は、もはや半永久的にないと言えるが、
現在進行しているのは、日銀の思惑を超え、市場の力で金利が暴騰していく
極めて危険な金融状況である。

突然金利が上がれば、
返済額が増える、返しても返してもすべて金利分に消費され元本が全く減らない
などの状況に陥ることになる。

目の前のおいしい話に飛びつく前に
世界経済の深層で起っていることをきちんと見つめ、
夢のマイホームが強制競売にかけられ、借金だけが残る事態を回避する
慎重な姿勢が必要な時代に、今私たちはいる。

住宅ローンを組むときは、
フラット35などの「全期間固定金利型」を選び、
(目先では金利が高いと感じるかもしれないが、リスクはその分小さい)
すでに変動金利などで組んでいる場合は、
早急に「全期間固定金利型」に借り換えることが必要だ。

(2012年2月17日)


関連ページ

岐路にさしかかる住宅ローン (2012/4/2)
銀行貸出金利が最低に (2012/2/14)

REIT、新規上場など活発化 (2012/3/30)
UFJ銀、店頭でREIT販売 (2012/3/17)
ブル・ベア型ETF上場可能へ (2012/3/10)

金、高値調整へ (2012/3/9)
海外運用投資信託の低迷 (2012/2/17)
国債の「金利ボーナス」消滅 (2012/3/16)
減退する生保の国債需要 (2012/3/13)
日銀、インフレ目標掲げ金融緩和へ (2012/2/15)
IMF、邦銀の国債リスク試算 (2012/3/2)
ECB、57兆円追加供給 (2012/3/1)
日本の国債発行残高

国内金融ニュース TOP
金融・住宅ローン・生命保険

powered by Quick Homepage Maker 5.1
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional