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ブラジル、レアル安対策

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ブラジル、レアル安とインフレ対策

(2013年6月6日)


《ポイント》

  • ブラジル経済は、「景気低迷」下での「物価高」(スタグフレーション)に陥りつつある。
  • ブラジル政府、中央銀行は、インフレ対策に重点を置いている。
  • 6月5日、「インフレ対策」「レアル安対策」として金融資産税の撤廃を行った。
  • 政策金利は、2回連続の金利「引き上げ」で8.0%。

金融取引税の撤廃

ブラジル政府は6月5日、
外国人の債券投資に伴う資金移動に課税する金融取引税(IOF)を撤廃した。

IOFの対象は、ブラジル国債と民間企業が発行する債券。

6%のIOFは、0%になり、
ブラジル国債などを投資信託を通じて購入し、間接的なIOF負担をしてきた投資家は
今回の撤廃により負担が減る可能性がある。

  • 日本国内の公募投資信託におけるレアル建て資産の残高は2兆127億円(2013年4月時点)であり、
    ピークの2011年3月から3割減となっている。

インフレと経済低迷に陥ったブラジル経済

金融取引税撤廃には、
進行しているドル高・レアル安への対応策であり、
流入資金を増やして、輸入物価の上昇を防ぐ狙いがある。

ブラジルは景気低迷下の物価高(スタグフレーション)に直面している。

1-3月期の経済成長率は1.9%(前年同期比)と低調であり、
一方、物価上昇率はブラジル中央銀行の目標上限である6.5%近辺を推移している。

ブラジルの経常赤字は、
2013年4月までの12ヶ月で約700億ドル(約7兆円)に膨らみ、国内総生産比で3%を突破した。

景気対策と貿易赤字対策を優先させるなら政策金利の「引き下げ」「レアル安」政策が必要だが
物価上昇圧力が強い中ではそれもできない。

ブラジル中央銀行は、インフレ抑制を優先し
政策金利を2会合連続で引き上げた。(6月の政策金利は8.0%)

ただし、現状ではなお、景気先行き権の方が上回っており、
通貨安、物価上昇が今後も続く見通しとなっている。

中央銀行はさらなる金利引き上げをせざるを得なくなりそうである。

ブラジル政策金利の推移

(2013年6月6日)


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