インターネット専用銀行の拡大
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インターネット専用銀行の拡大
(2013年2月25日)
インターネット専業銀行が拡大し続けている。
店舗を持たずにインターネット上で営業するいわゆる「ネット銀行」は、
2000年にジャパンネット銀行の開業で幕を開け、
2001年に楽天銀行(旧イーバンク銀行)、セブン銀行(旧アイワイバンク銀行)、ソニー銀行と続き、
住信SBI銀行、じぶん銀行、大和ネクスト銀行と現在7社に広がっている。
7行の預金残高は、8兆5000億円(2012年末)に上り、この5年で3倍に膨らんでいる。
(7行合計では、静岡銀行や福岡銀行など上位地方銀行に匹敵する規模)
ネット銀行は、「相対的に高い金利」で顧客の預金を増やし、
「機動的な資金移動」を武器に、株式やFX(外国為替証拠金取引)などの資産運用やローンでも拡大している。
株式・FX取引での利便性
住信SBI銀行の「ハイブリッド預金」は、
系列のSBI証券の証券口座をあらかじめ開設しておけば、
証券口座に資金を即座に移動させて株式売買することができる。
一般的な株式取引では、
証券口座に資金を振り込んでから実際に売買可能となるまでに地位ていの時間がかかる。
銀行口座に資金を置いておき、相場環境を見ながら株やFXに柔軟に運用できる。
大和ネクスト銀行は、証券口座と銀行口座を合体させた「ツインアカウント」により
株式投資の待機資金が集まるなど、高齢富裕層を中心に顧客が増えている。
ソニー銀行は、円預金、外貨預金、FXなどの資金を一体で運用管理できる。
預金金利の高さ、様々なサービス
ネット銀行の金利は、他の大手銀行に比べて預金金利が高い。
例えば、1年物の定期預金(300万円未満)の場合、
大手銀行は0.02%台、ネット銀行は0.2~0.3%となっている。
また、各社が特徴のあるサービス提供をしていることも顧客増の要因。
- 住信SBI銀行は、病死などの場合にローン残高を肩代わりする団体信用保険が充実。
対象疾病数を8に増やし、「病気にかかった時点で」ローン全額が返済される。 - 楽天銀行は、24時間OKの海外送金が強みであり、3月からは個人の海外送金も可能になる。
- ソニー銀行は、手数料を支払えば、固定金利の住宅ローンを変動金利に切り替えられる。
ただし、ネット銀行の勢いがこのままかどうかは不透明な部分もある。
高い金利定時には、それに見合った運用が不可欠になる。
そのため集められる預金に限界がでる可能性が高い。
大和ネクスト銀行は、預金の大半を「国債」で運用している。
将来の金利反騰に備え、リスクを管理強化して行く必要があるとの判断に傾きつつあり
「預金の伸びは緩やかになる」としている。
(2013年2月25日)
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