スペイン国際2012/6
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スペイン国債利回り最高水準へ (2012年6月)
6月12日の欧州債券市場でスペイン国債の利回りが上昇し(価格は下落)、
10年物国債の利回りは6.8%台とユーロ導入(1999年)後で最高水準となった。
スペインのためにユーロ圏17カ国が合意した10兆円支援策の発表からわずか3日。
市場は早くも支援策の不備を見抜き、株価も失望売りに転じている。
今回の17カ国合意については、様々な問題が指摘されている。
《①ESMの直接資本注入でないこと》
まず、今回の救済スキームが
欧州安定メカニズム(ESM)からスペインの金融機関への直接資本注入ではなく、
スペイン政府を経由し、「スペイン政府が全責任を負う」(声明文)形であるという問題。
「スペインの財務危機」と「スペインの金融危機」は表裏一体の関係にあり、
スペインの銀行の財務悪化の大きな要因の一つは、
銀行がため込んだスペイン国債が下落を続けていることにある。
10兆円の救済資金とは、
ESMからスペイン政府への融資にすぎず、スペイン政府の債務はその分膨らみ、
その資金でスペインの銀行に資本注入して、もし危機に歯止めがかからなければ
スペインの財務危機はさらに深まる。
財務危機が深まれば⇒国債暴落⇒スペインの銀行破たんとなり、
銀行危機と政府の危機がスパイラル的に悪化の渦をつくって行くだろう。
もはや「スペイン政府に当事者能力はない」にもかかわらずスペイン政府に責任を負わせる方式に
市場は「危機の本質がわかっていないのでは」という不信感を募らせている。
《②ESMが資金回収時に優先権を持つこと》
第2の問題は、ESMが、他の債権者に優先する資金回収権を持つというご都合主義だ。
これでは、債券市場でスペイン国債を購入した投資家は、
危機が悪化すれば後回しにされ、債権は「劣後債に転落」することになる。
ESMに優先権を持たせることで
「投資家のリスクがさらに高く」なり、
スペイン国債を買い進める動機がさらになくなって行った。
10兆円の支援策発表後、
逆にスペイン国債利回りが最高水準に跳ね上がった(価格は下落)のは当然のことだ。
この2つの問題を見直し、新たな支援策を早急に示さなければ
スペイン危機が、イタリア危機へ、そしてユーロ崩壊、世界金融危機への引き金となりかねない。
(2012年6月13日)
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