オーストラリア2013/5/24
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オーストラリアの資源投資が減少
(2013年5月24日)
《ポイント》
- オーストラリアの資源投資がピーク越えし、減少に向かっている。
- 要因は、中国経済の成長鈍化などによる資源需要減少⇒資源価格の下落、そして生産コストの増加。
しげん・エネルギー大手は相次いで投資案件の見直し・中止を決めている。 - これを受け政策金利の引き下げが行われているが、成長鈍化は長引きそうだ。
オーストラリアの鉱物資源や石油関連の投資がピークを越え減少に入った。
オーストラリア資源・エネルギー経済局(BREE)の調査によると
主要案件の投資総額は2012年10月に過去最高となった後、2013年4月末に減少に転じた。
BREEの見通しでは、今後、投資規模が大きいLNGプロジェクトが次々に完成するのに伴い
投資総額は年々減少し、2017年には2007年の水準まで落ち込む。
これまでは新興国の好調な経済成長を背景に、オーストラリアの資源投資は拡大を続けてきた。
しかし、最大の貿易相手である中国経済が低迷し、
需要の減少から石炭、鉄鉱石などの資源価格が下落。
さらに人件費などの生産コストの増加などの要因も加わっている。
こうした状況を受け、
ウッドサイドやBHPビリトンなどの大手が相次いで投資案件の見直しや中止を決定。
BREEの推計では過去1年に総額1500億豪ドルの開発計画が棚上げされた。
開発投資だけでなく、資源サービス各社も5月に入りリストラや業績の下方修正を発表。
オーストラリア経済への影響は今後大きくなって行くと見られている。
政策金利引き下げ
オーストラリア準備銀行は
オーストラリア経済をけん引してきた資源投資が「今年ピークを迎えるかの性が高い」とのレポートを出し、
5月7日、政策金利を過去最低の2.75%に引き下げた。
これは、資源ブームの終息を視野に非資源分野の産業を下支えするため。
ただし資源投資を穴埋めする産業の育成には時間がかかるため
政策金利は低いまま据え置かれる可能性が高い。
成長鈍化は避けられないが、どれだけ最小限に抑えられるか注目される。
(2013年5月24日)
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