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:保険の加入と見直し

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生命保険の加入・見直しの方法

生命保険の選び方(はじめに) 

保険は、生涯で2番目に高い買い物

保険は、家の購入に次いで「生涯で2番目に高い買い物」と言われています。

1世帯当たりの保険料の支払いの平均は、年間で約45万円
生涯計算ではなんと、2,000万円にもなります。
(新車が何台買えますか?海外旅行に何回行けますか?)

では、お聞きしたいと思います。

自分が、そして家族が、どのような保険にどれくら入っているのか?
どのようなケースでいくら保険金が出るのか?
(2000万円の見返りが、一体いくらになるのか?)
正確に把握していらっしゃいますか?

実はほとんどの人の答えは「No」なのです。

「営業職員に熱心に勧められたから」
「これに入れば、万一のとき絶対安心と言われたから」
などの理由で保険に入り、または契約変更に応じたりしている場合がほとんどなのです。

そしてこれが、「膨大なムダ」(知らず知らずの間にいらないお金を支払っている)、
「こんなはずではなかった」という後悔のもとになります。

保険は、「商品」です

あなたは、保険にこれから入ろうとしていらっしいますか?
見直しを考えていらっしゃいますか?

どちらにしても、「人生で2番目に高額な買い物」で後悔しないため
最重要なことは次のことです。

「保険の基礎知識については、ご自身で持っておかなければならない。」

なぜなら、保険もひとつの「商品」(金融商品)だからです。

あなたは、保険は人助けのための仕組みであり、保険会社は慈善事業、
などという幻想をお持ちではないでしょうか?

もちろん、保険のそもそもの始まりはそういうものであり、
今でもその理想を追求する姿勢を持つ事業体が皆無だとは言いません。

ただし現実は、
日本人の「人の善性を信じるやさしい心」に付け込む形で
一方的に、利益のために、
「買う人のためにならない(大損が確実な)商品を買わされている」ケースが
非常に多いのです。

私たちは、この現実を見据えた上で、
ご自身の、そして何よりもご家族の「万一の備え」をする必要があります。

生命保険とは何?

では、はじめに、「生命保険とは何か?」について見て行きましょう。

生命保険は、公的補償の上積み分を「備えるためもの」

保険は、万一に備えるものです。

40代で不幸にして死亡してしまう確率は0.1%ほどですが、
これに自分が当たってしまう場合に、自分だけの力では、
残された者に大きな負担を強いてしまうことをは避けられません。

ですから、例えば1000人で1万円づつお金をプールし、0.1%に当たった人に差し出す仕組みがあれば
1000万円を、残された家族の生活費その他に残すことができるわけです。

つまり、保険は、「掛け捨て」の「定期保険」が最もシンプルなもともとの形、ということになります。

ただし、ここで考えるべき点は2点です。

まず、「万一への備え」は、
公的年金、公的医療保険などの公的制度で最低限補償される、ということであり
民間保険は、個々人で「それでは足りない」と考える部分の「上積み」のためのもの
ということです。

一家の大黒柱が死亡してしまった場合、障害を負って働くことができなくなった場合には
年金制度をはじめとする公的制度から様々な給付がなされます。

生命保険は、その不足分を補うために、あといくら必要か、というところから考えるべきものなのです。

あなたに必要な保険タイプは、他の人と同じではない

もう1点は、生命保険が現在
終身保険、養老保険、子ども保険、個人年金、変額年金保険など
「万一に備える掛け捨てタイプ」から派生した
「貯蓄型」「相続財産型」「老後の補助資金型」「税金対策型」「資産運用型」
などの様々なタイプが生まれているため
非常に分かりにくくなっていることです。

これは、その人の年齢、家族構成、仕事、就業形態・業種・職種、収入、生活設計の考え方・・・
などから自分に合ったタイプを選ぶことができるとも言えますが、
逆に言えば、「万人に適合するタイプはない」とも言うことができ、
「不必要な高額商品を買わされる可能性もある」ということでもあるわけです。

あなたが、もし独身なら、無理して生命保険に入る必要はほとんどないでしょう。
(病気になるなど、ご自身の万一に備えて、その後の人生設計の余裕分を積み立てるなら
 貯蓄の方が機動性があり、イザというときに使いやすく、便利です。)
(若い時から保険に入った方が「有利ですよ」という誘い文句は、ほとんどの場合ウソです。)

また、保険会社が主力商品として、営業職員を通じて売り込む「定期付き終身保険」は
わずかな終身保険に、掛け捨ての定期保険、さらに様々な特約を何段にも重ねた商品ですが
これは、「保険会社には、利益が大きい、おいしい商品」ですが
万人にとって必要な商品だとはとても言えないものです。

生命保険は「金融商品」です

独身時代、結婚して子どもが生まれたとき、子どもの教育費用と住宅ローンの支払いを考えるとき、
子どもが独立して老後の備えを考えるとき、老後の生活と病気の備えを厚くしたいとき・・・
人生のライフステージによって、必要となるお金は全く違ったものになります。

そして、各ステージに合わせて必要な資金を提供してくれる「万全の生命保険」など
ありえません。
(もし、そんな商品を作ったとしたら、その保険料は莫大な額になるでしょう)

つまり、すべてを生命保険でカバーするという考え方に「無理がある」のです。

生命保険は、「金融商品の一つ」なのです。

ですから、
例えば定期預金、財形貯蓄、貸付信託、個人向け国債、投資信託、外貨預金、純金積立など
様々な金融商品にそれぞれメリット・デメリットがあるように
生命保険にもメリット・デメリットがあるということです。

では、生命保険の金融商品としての特徴はどのようなものでしょうか?

「長期契約で、解約に制約があり、受取額が確定している」生命保険は、
「インフレに弱い」というデメリットがあります。

たとえば「保険金が2000万円」といった形で確定しているわけですから
それを受取るのが20年後だとしたら
それまでにインフレが進行して通貨価値が下がっていたらどうなるでしょう?

2000万円の実質的な価値は、1000万円かもしれないし500万円かもしれない・・・
ということになります。

一つの金融商品に過度に頼ることは危険なのです。

公的年金が当てにならないから生命保険?

少子高齢化で、財政難、しかも年金行政はデタラメで、政治はあてにならない・・・
つまり、年金も、社会保障も先行きが見通せないから
民間の生命保険に入っていた方が安心だ、
という考え方があります。

確かにその通りです! ( 一面では。)

ただし、よく考えてください。

日本はバブル崩壊後に、銀行だけでなく多くの生命保険会社が破綻しましたし、
サブプライムローン問題の発生で、米国のAIG(保険業界最大手)は破綻寸前まで追い込まれたのです。

AIGは、公的資金の注入と、FRB(米国の中央銀行にあたる)の住宅ローン担保証券買い入れによって
救済されましたが
米国の財政赤字は拡大し、累積債務は膨張し、FRBの負債は従来の3倍以上に拡大しています。

世界の金融危機は、日米欧の中央銀行の金融緩和によってかろうじて食い止められていて
日本は、先進国最大の政府累積債務を抱え、国債発行は膨張し、
日本の生命保険会社は、日本国債をたっぷり抱え込んでいます。

つまり、公的制度は危機だけれど、民間は大丈夫、というのは幻想なのです。

はっきり言えば、
「年金などの公的制度が危機にひんする状況」=「民間生保の多くも破綻する状況」
であり、
この場合、強烈なインフレ(通貨価値の下落)が発生しているはずですから
受取る予定の保険金の価値も「暴落する」ということになるのです。

入れば安心なわけでない!

ご存じの通り、被保険者の死亡や入院など、保険金が支払われる事象が起ったとき
保険会社から自動的に支払通知が送られてくるわけではありません。

保険会社に「申請しなければ、受取る権利があっても、支払われない」のです。

もし、うっかり申請を忘れて月日が過ぎると、時効(3年)で無効になってしまうこともあります。

また、きちんと申請した場合でも、
「この病気の場合は、お支払できません」
「告知義務違反があったのでお支払できません」
など、様々な理由で、もらえると思っていた保険金がもらえない、ということが起ります。

保険会社は、その保険の「約款」に基づいて保険金を支払うわけですから
「約款」の規定条件に満たなければ、「保険金は払われない」のです。

いくら「加入時にそんな説明はなかった」「営業員は絶対大丈夫だと言っていた」
などと主張しても、聞き入れられることはほぼありません。

もっと言ってしまえば、
生保各社は、細かな字でびっしり印刷された「約款」を盾に
または「色々な理由を持ち出したり」「見て見ぬふりをしたり」して
保険支払いを「意図的に回避してきた」のです。

2005年~2008年にかけて次々に発覚した「生命保険の不払い事件」は
生保の「自社利益第一主義」と「顧客の利益無視」の体質を明らかにしました。

保険会社が支払うべき事由があるにもかかわらず、
「不正・不当な方法で支払をしなかった」ことが発覚したのは、
5年間で、131万件、
総額は964億円にもおよびました。

日本生命保険、朝日生命保険、アメリカンファミリー生命保険、アリコジャパン、第一生命保険、オリックス生命保険、アクサ生命保険などなど
ほとんどすべての生命保険会社が「不当な不払い」を組織的に行っていたわけです。

こうした体質は一朝一夕に変わるものではありません。

つまり、「保険に加入したから、もう安心だ」ということにはならないのです。

生命保険とどう向き合えばよいでしょうか?

このように営業職員の言うままに保険に加入することで
私たちの多くは、非常に大きなムダ使いをしているケースが多いと同時に
「保険に入っているから安心」という幻想は
いざというときに、逆に私たちの生活の足元をすくうものにもなる場合があります。

特に日本人は保険に対する過信が強く、
欧米の平均の5~10倍も保険に支払っています。

では、「生命保険をやめてしまえばいいか」と言えば
それも極論です。

万一の場合の「リスクヘッジ」として
生命保険はやはり有効な商品なのです。

では、生命保険とどう向き合えばよいでしょうか?

これまでのところをもう一度押さえておきましょう。

生命保険は

●公的年金などの補償で「足りない部分(金額)」を補うもの
●「掛け捨てタイプ」の定期保険が基本の形
●インフレ時に大きなデメリットが現れる金融商品
●金融危機が発生した場合には、破綻する可能性もある
●保険会社は、なるべく保険金の支払いをしたくない(利益第一主義)

そして、私たちがまず考えるべきことは

●どのようなリスクに対して、どのくらいの保障が必要か、明確にする。
●自分で、保険の基礎についての知識をもっておく。
●保険を売ることで生計を立てている人が進めるがままに加入・変更をしない。

ということになります。

生命保険の加入・見直しに
当サイトをご活用いただければ幸いです。


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